25. ダグラス・T・ホールの理論②
「組織階層的に上方へ移行するのがキャリアであるという視点はとらない。」
年功序列の日本型の人事制度がすでに過去のものになっていることは申すまでもありませんし、そもそも「管理職」の絶対ポスト数や、若年者人口が著しく減少する日本社会では、「管理職」ありきの組織では成り立たない可能性すらあります。
一般的に(名称は組織によって色々あると思いますが)係長クラスよりも課長クラス、課長クラスよりも部長クラスのほうの給与が高くなり、給与が高いほうがよい生活を送れる(と考える方が多い)ので、「組織階層的に上方へ移行する」のが望ましい、もしくはそれを希望する方が多い模様です。
が、昨今、専門職としてのキャリアを提示する企業がやたらと増えているように、「収入の問題さえ」働く側がクリアできるのであれば、「一生涯」役職無しでも何ら問題はありません。ラフな言い方で表現するなら、客が付いている、技術がある、売り方を知っているなど本人特有の何かがあれば、何ら問題ないと言えるでしょう。
特にこれから社会に出る方や、あと数十年働く必要のある方は、この観点を持っておく必要があると思います。