9.ジョン.D.クランボルツの理論(課題へのアプローチスキル)
クランボルツが唱えた「課題へのアプローチスキル(意思決定スキル)」を日本マンパワーのキャリアカウンセラー養成講座では、以下のように整理しています。(TEXT3 50ページより引用)
ステップ1:解決すべき課題(選ぶべき選択肢)は何かを具体的な言葉で明確にする。
ステップ2:問題解決(もしくは選択)に向けての行動計画を立てる。踏むべきステップ、それの期限など。
ステップ3:価値観を明確にする。つまり、選択をして得るべき重要なものは何かを見極める。
ステップ4:興味や能力、ステップ3で見極めた価値観をベースに選択肢をつくる。
ステップ5:起こり得る結果を予測する。ステップ4で考えた選択肢すべてについて、それぞれ結果がどうなるかを考えてみる。
ステップ6:さらに情報を収集しながら、システマチックに選択肢を絞っていく。
ステップ7:選択肢の中でこれと決まったものについて行動を開始する。
無論、これはステップ1からステップ7の一方通行ではなく、各ステップ間を何度も行き来をして然るべきですし、これを一人で考えるのが難しければ、上司や家族、あるいはキャリアカウンセラーやキャリアコンサルタントなどの支援を頂いても然るべきです。
このステップを踏まえると課題や問題が出現してから行動を起こすまでに、若干の時間を要する気もしますが、これはあくまでも「キャリア構築における」課題へのアプローチスキルですので、例えば自社製品のクレームで人の命に関わるような場合などは全くの対象外です。
また、初めて相談に来た登録者(求職者、キャンディデート)に対して、扱い求人への応募を急かす某業界の(にわか)コンサルタントの視点では、理解できないくらいもどかしいものなのでしょうが、実証された研究成果に基づき、かつ現在まで引き継がれているモデルですので、普遍的な価値を有することだけは確かです。