6. ドナルド・E・スーパーの理論(ライフステージとライフロール)
スーパーが唱えた理論の双璧を成すのが「ライフステージ」と「ライフロール」です。(詳細は割愛します。気になる方は「スーパー ライフステージOrライフロールで検索してください。」
日本マンパワーのキャリアコンサルタント養成講座のテキストでは、前者を「キャリアの段階」、後者を「キャリアの役割」と、実に上手い具合に記しています。
いずれも長年の研究蓄積によって提唱された不変の真理です。無論、時代が変わっていますのでライフステージにも多少の年齢幅の修正は必要ですが、この段階を踏むことの重要性や大切さをないがしろにすることはできないでしょう。
いわゆる「タイパ」を重視し、性急に出世したがる世代や、それを急かす業界、新興企業群には、このスーパーの「ライフステージ」の意味をご理解頂きたいところです。
また、「ライフロール」を当方の実務経験の観点から補足すると、年齢とともにライフロールにおける役割の「配分」は変わってきます。ましていわんや人生の転機(就職、結婚、出産、失業、転職)が起こると、本人の意図に関わらず「ライフロール」の役割の配分は変化せざるを得ません。
よって、転職という人生の転機の場面において、「ライフロール」を従前と全く同じように維持しようとするのは不可能です。それを知らずに安易に転職先に飛びついて(もしくは飛びつくように第三者から仕向けられて)後悔する人が多いのも、また現実です。