19. L・サニー・ハンセンの理論(統合的人生設計5)
【課題5:内面的な意義や人生の目的を探る】
働く上では当たり前のように思われますが、意外と見過ごされている観点です。目先の待遇や給与に飛びついて失敗した例を数え切れないくらい見てきた立場からすると、この観点は何度も念押しをしたい次第です。
先述のスーパーや(後述する)シャインの理論を引き合いに出すまでもなく、いわゆる内的キャリアは決定的に重要です。どこかの会社や業界のように、いくら給与が高くても反道徳的な仕事や手法の繰り返しであればその仕事は持続しません。また、(特に若い世代で多いようですが)職場がホワイト過ぎても勤続しないようです。
働く上で、「どこに主軸を置くか」の確認は絶えず必要ですし、これは年齢を経るごとに大きく変わってきます。また、これだけ環境が年々大きく変わる現代ですので、歳を取ってからだけではなく、より早いうちからキャリアの定期的な棚卸が必要になってくるのでしょう。
この「内面的な意義や人生の目的を探る」プロセスは、無論、働く当事者だけで行うことができればそれに越したことはありません。が、(決して宣伝するわけではないですが)キャリアコンサルタントのような「中立的な」第三者を介したほうが、当事者にとってより納得できるプロセスになるようです。