17. L・サニー・ハンセンの理論(統合的人生設計3)
【課題2:自分の人生を“有意義な全体”として織りあげる】
職業選択の理論の多くは「どうすれば満足な職業選択ができるか」というテーマに応答するようなものになっています。(その中で、先述のドナルド・E・スーパーのキャリアレインボーは異彩を放っています。)
一方で、ハンセンは、「職業選択においては人生の複数の役割と職業をどう組み合わせることができるかを考えるべきだ」と主張しています。
ほとんどの人は職業人「だけ」の役割で人生をまっとうすることは不可能です。被扶養者(子供)時代を経て、家庭人(配偶者、親、子供)、地域住民、ボランティアなど年月とともに、その役割のウエイトは変化せざるを得ません。(親の介護のウエイトが増えると、日々の生活においては「職業人」の割合は以前よりも減少し、「子供」の割合が増加するでしょう。)
おそらく(会社員の)半分以上の人が転職をする、もしくはせざるを得ない現代、この観点は決定的に重要です。(これも実務経験から得た教訓です。)
が、ほとんどの方は、目先の自分自身のニーズとの兼ね合いだけで決定しているのも、また事実です。