繰り返しますが、「キャリアはこれらの転機の連続である」ということに反論の余地はないかと思います。著名人の自伝や日経新聞の「私の履歴書」を拝読しても、その中身は転機(それも、ネガティブや困難さがつきまとうもののほうが多いでしょう。)だらけです。
が、その転機から立ち直る、復活する、復興する場合と、そうでない場合を詳しく見ると、その違いは「当事者本人のリソース(内的資源)の差」によるとシュロスバーグは示しています。
さらにその内的資源においても、①人 ②物的資源(多くの場合は金銭、資金) ③公的機関や民間団体 の3つの支援があれば転機の難度は下がるとされています。
キャリアにおいて決定的に重要なのは①の「人」(=支援者)であるのは言うまでもありません。②の物的資源や③の公的機関や民間団体の支援には限界があります。一方で①の「人」については、当事者の心構えと働き方次第では、如何様にでも且つ無限に広がっていきます。
もし、キャリアの作り方に黄金律があるとするならば、巷にあふれている自己啓発本の実践や、人材紹介会社の俄かコンサルタントが唱えるバックキャストに基づくキャリア・ディベロップメント(と言えるかどうか微妙ですが)ではなく、シンプルに支援者を増やすような働き方を心掛けたほうが好ましいと思います。