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セルフキャリアドック導入推進、キャリアコンサルティング、及び有料職業紹介事業を通じて、「人」にかかわる様々な課題解決にワンストップで取り組んで参ります。

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【課題3:家族と仕事を結びつける】

 家族がいる場合、これは改めて触れる必要もないかと思います。家族の同意無しに、良い職業選択やキャリア構築ができるはずもありません。
 一点、留意すべきは、多くのキャリアの理論の場合、標準的なケースをモデルに分析、実証をしており、これもアメリカ社会の標準的な家庭(既婚者、子供有り)を念頭に置いていることから、単身者が多い日本社会では当てはまらないのではと反論されそうです。

【課題4:多様性と包括性を重んじる】

 いわゆるダイバーシティ&インクルージョン(Diversity & Inclusion)です。この言葉が全盛の昨今、これも反論の余地はないでしょう。人口が減少する日本社会においては、外国人との共生は言うまでもありません。
 ただ、このダイバーシティ&インクルージョンについて、企業側の取り組みはあちらこちらで散見(小手先のものも多いですが)されますが、働く側のマインドとして「ダイバーシティ&クルージョン」を備えた方のほうが、結果的に良いキャリアとなり、また先述の支援者に恵まれた会社員人生になっているようです。
 しかしながら、価値観の違いまでも認めて受け入れるということは、かなり難易度が高いですし、気の合う仲間だけで安生よく過ごすほうが「楽」なのは間違いありません。(当方もそうです。)

【課題2:自分の人生を“有意義な全体”として織りあげる】

 職業選択の理論の多くは「どうすれば満足な職業選択ができるか」というテーマに応答するようなものになっています。(その中で、先述のドナルド・E・スーパーのキャリアレインボーは異彩を放っています。)
 一方で、ハンセンは、「職業選択においては人生の複数の役割と職業をどう組み合わせることができるかを考えるべきだ」と主張しています。
 ほとんどの人は職業人「だけ」の役割で人生をまっとうすることは不可能です。被扶養者(子供)時代を経て、家庭人(配偶者、親、子供)、地域住民、ボランティアなど年月とともに、その役割のウエイトは変化せざるを得ません。(親の介護のウエイトが増えると、日々の生活においては「職業人」の割合は以前よりも減少し、「子供」の割合が増加するでしょう。)
 おそらく(会社員の)半分以上の人が転職をする、もしくはせざるを得ない現代、この観点は決定的に重要です。(これも実務経験から得た教訓です。)
 が、ほとんどの方は、目先の自分自身のニーズとの兼ね合いだけで決定しているのも、また事実です。

【課題1:グローバルな視点から仕事を探す】

 ハンセンは、「それまでの職業選択の理論は『興味』『能力』『価値観』を重視しましょうといった自身の『内面』に偏ったものになっているのでは」と疑問を投げかけています。
 その上で、自分自身のニーズを満たすことと合わせて、世界や社会の課題を解決する援助ができるかどうかを考えるべきであると述べています。
 ここで「グローバル」という言葉がピンと来ない方も多いかと思いますので、「社会的な視点から仕事を探す」と言い換えたほうが良いかもしれません。
 原則、世の中のあらゆる仕事には、必ず何らかの社会的ニーズがあるから存在するはずです。金銭を支払って解決して欲しい顧客がいるから発生しているはずです。よって、この点はあまり深く考える必要はないかもしれません。
 が、現実として闇バイト、不正、嘘、あるいは強欲な拝金主義のニュースや事例に触れるたびに、各人が各々の仕事の意義を日々確認する必要があるのではと痛感する次第です。
 さらに、職業選択やキャリア構築においては、自分自身のニーズを満たすことにとらわれすぎると、得てして良くない結果を招くことも多いようです。(実務経験から得た教訓です。)

 L・サニー・ハンセン(Hansen.L.S 1929-2020 以下、ハンセン)の理論は「Integrative Life Planning(統合的人生設計)」というタイトルで出版されています。その中で、キャリアについて、単に職業選択や会社員、職業人としての経歴だけでなく人生における4つの役割の「統合」の中で位置づけています。(1)労働(仕事)(2)愛(家庭、子育て)(3)学習(4)余暇の4つです。
 さらに、その「統合的人生設計」を考えるうえで、以下の6つの課題を挙げています。
以下は日本マンパワーのキャリアコンサルタント養成講座のテキストからの引用です。

課題1:グローバルな視点から仕事を探す
課題2:自分の人生を“有意義な全体”として織りあげる
課題3:家族と仕事を結びつける
課題4:多様性と包括性を重んじる
課題5:内面的な意義や人生の目的を探る
課題6:個人の転機と組織の変革に対処する。

英語文献を翻訳している点から、若干、不自然な表現も含まれるかと存じますが、順に補足して参ります。

 シュロスバーグは変化をコントロールし、転機を乗り越えるためのリソースとして以下の4つが挙げています。

(1)状況(Situation)
(2)自己(Self)
(3)支援(Support)
(4)戦略(Strategies)

 それぞれの頭文字をとって4Sモデルと言われています。以下のブログで詳しく書かれていますので、興味のある方はご参照ください。
https://mpg.rightmanagement.jp/careercafe/career_academy/room10.html

 その中でも、当方は(3)の「支援」に注目しており、さらに、先述の通り「人」=支援者に焦点を当ててキャリアインタビューやナラティブヒストリーを伺うケースが多い次第です。

 あくまでもキャリアの解釈は当事者の主観で全く問題ないですが、良いキャリアを作れた方や作っている方は、おしなべて支援者に恵まれたケースが多いようです。無論、ここでいう支援者とは上司だけでなく、部下、同僚、取引先、仕入先、勤務先のオーナー、社長、役員までも含みます。あるいは家族、親戚、友人、知人もそうです。

 よって、どんなに困難な転機に遭遇している方でも、支援者がゼロという方はほぼいないでしょうから、たいていの転機は乗り越えることができるのではないかというのがこの理論のミソです。それがわからない場合は、キャリアコンサルタントに相談することをお奨めする次第です。

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