5. ドナルド・E・スーパーの理論(自己概念と職業選択についてⅣ)
「適切な職業選択には肯定的な自己概念が必要である。この肯定的な自己概念を形成するためには、日常接している周囲の人(家族、生徒、従業員、友人など)から与えられるフィードバックが極めて重要である。」
改めてこの文章を眺めると、言い得て妙であると思います。無論、キャリアカウンセラーの存在理由もここに示されていますが、これは職業選択時だけでなく、その後のキャリア構築においても、特に後半部分が決定的に重要であると確信しています。
一言でいうと、フィードバックを頂ける「支援者」の存在があるか否かで、キャリアは良くも悪くも如何様にでもなります。会社員であろうと、フリーランスであろうと、本人のスキルや経験が無くてもその本人に「支援者」がいれば、ほとんどの困難は克服できます。しかしながら、逆の場合は不幸な結果になるケースが過半です。(ヘッドハンティングが上手くいかなかった例は、その社内に本当の「支援者」がいなかったことによるケースがほとんどです。)
理想的には、この「支援者」が社内(上司だけでなく、部下、同僚、別部署の社員までを含む)だけでなく、社外(顧客、仕入先、あるいはキャリアカウンセラーなどの外部の支援者等)にもいるほうが、はるかに好ましいのは言うまでもありません。
よって、新卒時の入社にせよ、転職時にせよ、独立時やフリーランスになったときにせよ、最初に行うべきは、「支援者」をできる限り作る、もしくは見つけて、それを継続することにあると認識しています。