1. ドナルド・E・スーパーの理論(自己概念)
当方が所属するJCDAで学ぶキャリアカウンセリングの基本中の基本理論で、且つ、各団体のキャリアコンサルタントの養成講座でも、必ず最初のほうで触れることになるのが、ドナルド・E・スーパー(Super,D.E 1910~1994 以下、スーパー)の理論です。
詳細は、専門書やWEBにお任せするとして、スーパーが唱える「自己概念」について、私見を交えながら、少し説明します。
JCDAでは「自己概念」を「自分と自分を含む世界をどう捉えるかの見方、考え方」と定義していますが、それでは分かりにくいので、当方は単純に「価値観や職業観に近いもの」と日常の業務では話しています。また、自己概念は絶えず変化(成長もしくは退化)するものです。
有名な「レンガ職人の話」を持ち出すまでもなく、例えば、当方の業務で面談した相談者のほとんどが敬遠し、ストレスの主因になっている「テレアポ」についても、「会社や上司の指示だからやらされている作業」と捉えるか、「潜在顧客と直に触れることのできるダイレクトマーケティングの実践」と捉えるかで、自己概念は良くも悪くも大きく変化します。
さらに、「社会構成主義」(気になる方は、検索してみてください。)の立場に立つと、人間(特に会社員や組織に属する人)は、間違いなく環境に左右されます。
よって、職業選択におけるマッチングで大事なのは、AIでも判断できる「スキル」「経験」、と、いわゆる人材業界でいう「スペック」とのマッチング「でなく」、その人の「自己概念」と働く環境(社風、上司・同僚・部下も含めた人)とのマッチングだと認識しています。